New ITIL(Version 5)はITIL4からどう変わる?ファンデーション試験は?違いを徹底解説!  

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先日、ITILの新体系として「New ITIL(Version 5)」がPeopleCert公式によって発表されました。

このバージョンアップについて、「New ITILって、結局はITIL4の名前違いでは?」と感じている方は少なくありません。ですが、PeopleCert公式の説明を突き合わせると、New ITILは単なる焼き直しではなく、ITIL4を土台にしつつ、デジタルプロダクトとAI時代に合わせて進化した新しい枠組みとして整理するのが実態に近いです。

特に公式ではITIL (Version 5)として案内されており、「ITサービス管理中心」から「デジタルプロダクト&サービス管理+AI対応」へ重心を移した進化版と理解すると、違いがつかみやすくなります。

なお、タイトルではご指定どおり「New ITIL(ITIL Version 5)」の表記を使っていますが、現在PeopleCertが公式に案内している名称はITIL (Version 5)です。本文では、混乱を避けるためにNew ITIL=ITIL (Version 5)という前提で解説します。

先に結論です。
New ITILは、ITIL4の価値を否定するものではありません。むしろITIL4をベースに、デジタルプロダクト、エンドツーエンドのライフサイクル、AIガバナンスを強化した進化版です。したがって、「全部やり直し」ではなく、ITIL4保有者の知識を活かしながらアップデートするという捉え方が最も自然です。

 

New ITILとITIL4の違いをまず一覧で比較

まずは全体像を比較表で押さえましょう。細かい用語の違いよりも、何を重視するフレームワークになったのかを見ると理解しやすいです。

項目 詳細
ITIL4の軸 価値共創、サービスバリューシステム、サービスマネジメントの近代化
New ITILの軸 デジタルプロダクト&サービス管理、AI対応、ライフサイクル全体での価値提供
主な進化ポイント AI-nativeな設計、DPSM(Digital Product and Service Management)強化、資格体系の簡素化
対象範囲 ITサービス中心から、プロダクト・サービス・体験を横断する考え方へ拡張
AIの扱い ITIL4では限定的だったが、New ITILではAIガバナンスやAI活用が明確に前景化
Foundationの変化 サービスジャーニー、バリューストリーム管理など、上位で強かった概念がFoundationにも反映
既存資格保有者の扱い ITIL4 Foundation保有者は再受験必須ではなく、上位Version 5へ直接進むことも可能
並行運用 ITIL4とITIL (Version 5) は並行提供され、現行計画ではITIL4は2027年12月31日まで提供予定

この比較から見えてくるのは、New ITILがITIL4を捨てて別物になるのではなく、ITIL4のサービスマネジメント思想を、デジタルプロダクトとAIの現実に合わせて再編したものだという点です。

 

そもそもNew ITILとは何か

PeopleCert公式では、ITIL (Version 5) を「複雑でAI対応が求められる環境において、デジタルプロダクトとサービス管理の基盤を築くための資格・フレームワーク」として説明しています。

ITIL4が価値共創やサービスバリューシステムを打ち出していたのに対し、New ITILではプロダクトとサービスのライフサイクル全体、そしてAI対応環境でどう価値を届けるかがより強調されています。

PeopleCert公式では、ITIL4を「成功した進化」と位置づけたうえで、New ITILではデジタルプロダクトAIという2つの新しいディメンションを加えて、さらに進化したオペレーティングモデルへ進もうとしていると説明しています。

つまり、ITIL4が失敗だったから作り直すのではなく、ITIL4の成果を踏まえた次の拡張としてNew ITILが生まれているわけです。

・New ITILはITIL4のリセット版ではない
・ITIL4の価値共創思想を引き継ぎつつ、デジタルプロダクトとAIに対応している
・公式表記はITIL (Version 5)であり、実務変化を反映した進化版と考えるのが自然

 

最大の違いは「ITサービス管理(ITSM)」から「デジタルプロダクト&サービス管理(DPSM)」への拡張

ITIL4は、従来のプロセス偏重だったITIL v3以前から脱却し、価値共創やサービスバリューシステムを取り入れて大きく進化しました。ただし、それでも中心にあるのは基本的にサービスマネジメントでした。ところがNew ITILでは、公式に digital product and service management(DPSM) が前面に出てきます。

この違いは見た目以上に大きいです。なぜなら、現代の組織は「サービス提供」だけでなく、デジタルプロダクトを継続的に設計・改善し、顧客体験まで含めて価値を作ることが求められているからです。ITIL4でも価値の考え方はありましたが、New ITILではその価値提供がプロダクト中心・ライフサイクル中心により明確化されています。

セミナー字幕でも、Foundation観点でサービスジャーニーのような概念が入ってくること、そして全体としてより包括的なオペレーティングモデルに進化していることが示されています。つまりNew ITILは、「運用をうまく回すためのITIL」から「デジタルプロダクトとサービスを価値提供の流れで捉えるITIL」へ進んだと表現できます。

 

AIガバナンスが明確に組み込まれるのも大きな違い

New ITILの象徴的な変化が、AI-nativeという考え方です。PeopleCert公式では、ITIL (Version 5) はAI対応環境で働く専門家を支援し、変化への適応、意思決定、実践的な運用を助けると説明しています。AIの利用が一時的な流行ではなく、業務の前提条件になりつつある現在、ITILもその現実を無視できなくなったということです。[Source]

添付セミナーではさらに踏み込み、AIガバナンスが拡張モジュールとして扱われ、倫理、説明責任、コンプライアンス、成熟度、AI能力モデルなどに関する内容が紹介されていました。これは単に「AIを使えば便利です」という話ではなく、AIをどう統制し、どう信頼を担保しながら活用するかまでITILの世界に取り込もうとしていることを意味します。[Source]

ITIL4でも「変化に対応する」考え方はありましたが、New ITILではAI時代における変化そのものが前提になっています。

ここが単なる用語の更新ではなく、時代適応として重要なポイントです✅

 

Foundationでも学ぶべき内容が少し変わる

Foundationレベルの学習内容も、New ITILでは少し景色が変わります。PeopleCertのITIL Foundation (Version 5) ページでは、学習テーマとしてデジタルプロダクトとサービス管理の概念、価値共創、4つの側面、ITIL Value System、Guiding Principles、製品・サービスのライフサイクル、継続的改善、Value Stream Mapping and Managementが挙げられています。

ここで注目したいのは、product and service lifecyclevalue stream mapping and managementがFoundationの時点でかなり前面に出ていることです。セミナー字幕でも、ITIL4では上位で扱う色が強かった概念がFoundationに降りてきていることが示唆されています。つまりNew ITILのFoundationは、単なる用語暗記ではなく、プロダクトとサービスを価値の流れで理解する視点がより重要になる可能性が高いです。

項目 詳細
ITIL4 Foundationの印象 価値共創やSVSを学ぶが、サービスマネジメントの入門色が強い
New ITIL Foundationの印象 プロダクト・サービス・ライフサイクル・バリューストリームの視点がより前面に出る
追加で意識したい点 AI対応環境、サービスジャーニー、継続的改善の実践性
変わらない土台 Guiding Principles、4つの側面、継続的改善などの基本思想は引き続き重要

 

ITILファンデーション試験はどう変わる?「変わらない部分」「追加・削除部分」をそれぞれ解説

ITIL Foundation (Version 5) は、従来のITIL4 Foundationを完全に否定するものではありません。むしろ、ITIL4で確立された価値共創や継続的改善の考え方を残しつつ、デジタルプロダクト、ライフサイクル全体、AI対応環境に合わせて内容を広げたFoundationへ進化しているのが特徴です。PeopleCert公式でも、ITIL (Version 5) はAI-enabled environmentsにおけるデジタルプロダクトとサービス管理の基盤を学ぶ資格として説明されています。

 

変わらない部分

まず押さえたいのは、Foundationの土台そのものは大きく崩れていないという点です。ITIL4で重要だった価値共創4つの側面Guiding Principles継続的改善などは、引き続きVersion 5でも重要テーマとして残っています。つまり、すでにITIL4 Foundationを学んだ人にとって、New ITILはゼロから別物を覚える試験ではなく、既存知識をベースにアップデートしていく試験だと考えて問題ありません。

・価値共創の考え方
・4つの側面(Dimensions)
・Guiding Principles
・継続的改善(Continual Improvement)
・ITILの基本的な管理プラクティス

 

追加・強化される部分

一方で、Version 5では新たに強化される領域も明確です。特に大きいのが、Digital Product and Service Managementproduct and service lifecycleValue Stream Mapping and Management、そしてAI対応環境での実践です。添付のセミナー字幕でも、ITIL4からさらにデジタルプロダクトAIという新しいディメンションで進化すること、さらにFoundationでもサービスジャーニーや上位寄りの視点が降りてくることが示されていました。つまり、ITIL4 Foundationよりも「サービスを管理する」だけでなく、「プロダクトとサービスをライフサイクル全体で価値提供する」視点が重くなると考えられます。

・デジタルプロダクト&サービス管理の明確化
・製品・サービスのライフサイクル全体を意識した学習内容
・Value Stream Mapping and Management の前面化
・AI-enabled environments を前提にした考え方
・サービスジャーニーや実務寄りの視点の強化

 

削除されるというより「後景化する」部分

現時点の公開情報を見る限り、Foundationで「完全に削除された」と断定できる論点は多くありません。ただし、見せ方としては従来の“ITサービス管理だけ”を中心にした印象が後ろに下がり、代わりにプロダクト+サービス+体験を一体で考える方向へ軸足が移っています。つまり、単純な削除というより、従来のサービス中心の構図が再編され、より広いデジタル価値提供モデルに組み込まれると理解するのが正確です。

観点 変更イメージ
変わらない部分 価値共創、4つの側面、Guiding Principles、継続的改善などの土台
追加・強化部分 デジタルプロダクト、ライフサイクル、バリューストリーム、AI対応環境
後景化する部分 「サービス管理だけ」を中心に見る従来の見せ方

 

ファンデーション試験はいつ更新される?V4はいつまで受けられる?

結論からいうと、ITIL4とITIL (Version 5) はしばらく並行運用されます。PeopleCertのFAQでは、現在の計画としてITIL 4 の全モジュールは 2027年12月31日 に終了予定と案内されています。つまり、New ITILが出たからといってITIL4 Foundationがすぐ消えるわけではなく、一定期間は旧体系と新体系が併存する形です。

また、ITIL Foundation (Version 5) の公式ページはすでに公開されており、さらにITIL Foundation Bridge (Version 5)も案内されています。したがって、ファンデーション試験の更新は「ある日いきなり切り替わる」のではなく、Version 5 Foundationが段階的に案内・展開される一方で、ITIL4 Foundationもしばらく受験可能という理解で問題ありません。

焦って「今すぐ全部切り替えなきゃ」と考える必要はありません。
すでにITIL4を学んでいる人は、その知識を活かしながら移行時期を選べます。逆に、これから受ける人は、自分の学習タイミングと会社の採用状況を見て、ITIL4かVersion 5かを判断するのが現実的です👓

・ITIL4とITIL (Version 5) は並行運用される
・現在の計画ではITIL4の全モジュールは2027年12月31日まで提供予定
・Version 5 FoundationページとBridgeルートはすでに案内されている
・今すぐ全面切替ではなく、移行期間を見ながら判断できる
項目 詳細
New ITIL Foundation PeopleCert公式ページですでに案内開始
Bridge ITIL4 Foundation保有者向けにVersion 5の差分を学ぶ短縮ルートあり
ITIL4の扱い すぐ廃止ではなく、Version 5と並行提供
V4の受験期限 現在の計画では2027年12月31日まで

 

では、どんな人がNew ITILへアップデートすべきか

実務目線で言えば、次のような人はNew ITILとの相性がよいです。まず、運用だけでなくプロダクト思考が求められる現場にいる人です。たとえば、SaaS、社内デジタルプロダクト、継続開発型サービス、顧客体験改善を伴う運用などでは、ITIL4よりもNew ITILのほうがしっくりくる場面が増えるでしょう。

次に、AI活用やAIガバナンスを避けて通れない組織です。生成AI、社内AI利用、AI運用ルール整備、リスク管理、説明責任などの議論がすでに始まっている企業では、New ITILの問題意識がかなり実務に近いはずです。逆に、従来型のプロセス最適化が主目的で、ITIL v3やITIL4ベースの運用改善がまだ十分に回っていない組織では、必ずしもすぐ全面移行する必要はありません。セミナー字幕でも、過去の遺産や既存プロセス最適化はそのまま続けてよいという説明がありました。

 

勉強方針はどう変えるべきか

ITIL4対策では、Guiding Principles、4つの側面、SVS、SVC、主要プラクティスを整理することが王道でした。New ITILでもその土台は重要ですが、それに加えてデジタルプロダクトの視点価値の流れライフサイクル全体AI前提の判断を意識して学ぶ必要があります。

とくにFoundation Bridgeを受ける人は、既存知識との違いに集中するのが効率的です。単に用語差分を追うのではなく、「なぜサービス中心からプロダクト&サービス中心へ広がったのか」「なぜAIガバナンスが前に出たのか」を理解すると、暗記に頼らず整理しやすくなります。New ITILの学習では、“ITIL4の延長線上にありつつ、何が現代化されたのか”をつかむことが最大のコツです。

「新しい単語が増えた」とだけ見ると混乱しますが、実際にはITIL4の考え方を、デジタルプロダクトとAI時代に合わせて伸ばしたと捉えると、かなり学びやすくなります。

 

結局、New ITILはITIL4より“上位互換”なのか?

単純な上位互換とまでは言い切れませんが、少なくとも現代のデジタル組織により適した方向へ進化しているのは間違いありません。ITIL4は、ITIL v3以前からの大きな転換として非常に重要な役割を果たしました。そしてNew ITILは、そのITIL4の土台を活かしつつ、プロダクト中心、AI対応、ライフサイクル重視、ガバナンス強化という現実的なテーマを前面に出しています。

したがって、今から学ぶ人にとってはNew ITILの考え方を追う価値が高く、すでにITIL4を持っている人にとっては、知識を捨てるのではなくアップデートする発想が最も合理的です。

まとめ
・New ITILの公式表記はITIL (Version 5)であり、ITIL4の単なる名前変更ではない
・最大の違いは、ITサービス管理中心からデジタルプロダクト&サービス管理へ重心が広がったこと
・AI-nativeな考え方やAIガバナンスが前面に出ているのが、ITIL4との大きな差分
・Foundationでもライフサイクル、バリューストリーム、サービスジャーニーなどの視点が強まる可能性が高い
・ITIL4資格保有者はやり直し不要で、上位Version 5へ直接進むこともできる
・Bridgeを使えば変更点だけを効率よく学べるため、既存保有者にとっては「リセット」ではなく「アップデート」と考えるのが正しい

 

New ITILファンデーション試験は対策が難しくなります。バージョン4のうちに対策を実施し、試験に合格しましょう!

ITILファンデーション試験に改定されると、以下の理由により、試験の対策が難しくなります。

・改定に対応した学習教材が充実していない
・合格体験記が少なく、どういう勉強をしたら合格できるのかわかりずらい

特に改定直後は、学習教材や参考資料が追いついていないため、どの範囲をどの深さで学習すべきか判断しにくいどの教材が有効なのか、どういう出題傾向なのかといった実践的な情報が不足する状況が生まれます

結果として、受験者は旧版の知識を流用しながら最新仕様との違いを自分で補い理解しなければならず、効率的な学習が難しくなります。

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New ITIL(ITIL Version5)に関するよくある質問(FAQ)

New ITILはITIL4の後継ですか?

はい。PeopleCertの案内では、New ITILはITIL4の価値を引き継ぎながら進化した枠組みとして扱われています。単なる全面刷新ではなく、既存知識を活かせる進化版です。

 

ITIL4の資格は無駄になりますか?

いいえ。PeopleCert FAQでは、ITIL4資格はVersion 5の上位資格の前提条件として認められると案内されています。既存資格の価値は引き続き有効です。

 

ITIL4 Foundation保有者はNew ITIL Foundationを取り直す必要がありますか?

必須ではありません。ITIL4 Foundation保有者はVersion 5の上位コースへ進むことができます。また、変更点だけを学ぶBridgeルートも用意されています。

 

New ITILで一番変わったポイントは何ですか?

もっとも大きいのは、サービスマネジメント中心の視点から、デジタルプロダクトとサービスをライフサイクル全体で管理する視点へ進化したことです。加えて、AIガバナンスが明確に前景化しています。

 

ITIL4はいつまで受けられますか?

PeopleCert FAQによると、現在の計画ではITIL4の全モジュールは2027年12月31日にサンセット予定です。しばらくはVersion 5と並行して提供されます。

 

New ITILはどんな人に向いていますか?

デジタルプロダクト運営、SaaS、継続開発、顧客体験改善、AI活用、AIガバナンスに関わる人に特に向いています。従来の運用最適化だけでなく、プロダクト志向で価値提供を考える現場ほど相性がよいです。