AWSクラウドプラクティショナーの合格率は?難しい?難易度と合格できる勉強法を解説

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AWSクラウドプラクティショナーの取得は「難しいのかな?」「合格率はどのくらい?」「勉強にどれくらい時間がかかるの?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

AWSクラウドプラクティショナーは、AWS認定資格のなかでもっとも基礎的な位置づけの資格です。クラウドコンピューティングの基本概念からAWSの主要サービスまで、幅広い知識を問われますが、ほかのAWS資格と比較すると難易度は低めです。

この記事では、AWSクラウドプラクティショナーの合格率や難易度、試験内容、そして勉強法について詳しく解説します。難易度がわかりやすくなるように、具体的な問題例も交えているため、ぜひ参考にしてください。

 

AWSクラウドプラクティショナーとは

項目
内容
正式名称
AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02)
試験時間
90分間
問題数
全65問(うち15問は採点対象外)
出題形式
択一選択問題、複数選択問題
合格基準
1000点満点中700点以上
受験料
100USD(約14,975円※)

※調査時点の1ドル149.75円で換算

AWSクラウドプラクティショナーは、AWSの基本的な知識とスキルを認定する基礎レベルの資格です。クラウドコンピューティングの概念や、AWSの主要サービス、セキュリティ、料金体系などの基本的な理解を証明します。

IT業界でのキャリアをスタートさせたい方や、クラウドサービスに関する基礎知識を身につけたい方、また技術者ではないがAWSを活用するビジネス部門の方にも適した資格となっています。

 

出題範囲・科目

AWSクラウドプラクティショナー試験の出題範囲は、以下の4つの分野に分かれています。

・クラウドのコンセプト
・セキュリティとコンプライアンス
・クラウドテクノロジーとサービス
・請求、料金、およびサポート

「クラウドテクノロジーとサービス」の分野からの出題が多く、AWSの主要サービスの特徴や使い方についての理解が重要です。例えば、EC2、S3、RDS、Lambda、VPCなどの基本的なサービスの概要や、使用シーンの把握が必要となります。

 

試験日・受験方法

AWSクラウドプラクティショナー試験は、固定の試験日はなく随時開催しています。試験の受験方法は、主に以下の2つです。

・テストセンターでの受験:全国のピアソンVUEテストセンターで受験
・オンライン受験:自宅や職場など、任意の場所でオンラインで受験

オンライン受験の場合は24時間いつでも受験でき、当日申し込みも可能です。

ただし、オンラインの場合は、Webカメラとマイク・スピーカーを使用し、リモートの試験監督が付きます。カメラによるデスク周辺チェックやほかのソフトウェアを停止するなどの条件にも注意してください。

 

AWSクラウドプラクティショナーの合格率は公表していない

AWSクラウドプラクティショナーの合格率

AWSクラウドプラクティショナーを含め、AWS認定資格の正確な合格率はAmazon Web Services社から公式に発表していません。ネット上では70%前後という予想値が見られますが、合格基準が1000点満点中700点(70%)以上という基準から推測された数値です。

あえて比較対象とするなら、初学者が取得する情報処理技術者試験のITパスポートの合格率である約51%が参考になります。AWSクラウドプラクティショナーはITパスポートと同程度の難易度といわれることから、同程度だと言えます。

ただし、合格率は受験者の準備状況や経験によって左右されます。十分な準備をして臨めば、初心者でも十分合格可能な試験設計になっています。

出典:IPA(情報処理技術者試験 統計情報)(https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/pdf/statistics/202403_ip_toukei.pdf)

AWSクラウドプラクティショナーの難易度はどれくらい?

AWSクラウドプラクティショナーの難易度

AWSクラウドプラクティショナーは、AWS認定資格のレベルでもっとも難易度が低い入門レベルの資格のFoundationalです。

・Foundational(基礎):クラウドプラクティショナー
・Associate(アソシエイト):ソリューションアーキテクト、デベロッパー、SysOpsアドミニストレーター
・Professional(プロ):ソリューションアーキテクト、DevOpsエンジニア
・Specialty(専門):セキュリティ、データアナリティクスなど

IT資格全般から見ても、その難易度は比較的低いレベルに分類できます。情報処理技術者試験でいえば、ITパスポートと同程度の難易度です。

AWSクラウドプラクティショナーは、誰でも取れる簡単な資格!と言われがちですが、決してそんなことはありません!AWSの基本的な知識やクラウドの概念を理解していないと合格は難しいでしょう。

 

2023年9月19日から難易度が向上している

AWSクラウドプラクティショナー試験は、2023年9月19日にCLF-C01からCLF-C02へとアップデートしました。このアップデートにより、試験範囲が拡大し、難易度も若干上がっています

主な変更点は以下のとおりです。

変更点
詳細
出題範囲の調整
– 「クラウドのコンセプト」が26%から24%に減少
– 「セキュリティとコンプライアンス」が25%から30%に増加
– 「テクノロジー」が33%から34%に増加
– 「請求と料金」が16%から12%に減少
対象サービスの増加
CLF-C01では約65だったAWSサービスが約130へと倍近く増加
最新技術の追加
AI/ML、IoT、コンテナなど、最新のクラウド技術に関する内容が追加

上記の変更により学習範囲が広がり、より深くAWSサービスについて理解する必要が出てきました。ただし、問題の内容自体はシンプルで短文の問題となることから、基本をしっかり押さえていれば対応可能です。

 

試験範囲の知識があれば難易度は下がる

AWSクラウドプラクティショナー試験は、すでにITやクラウドに関する知識がある方の場合、難易度がぐっと下がります。特に以下のような方は、比較的短期間の学習で合格できることが多いです。

・IT業界での実務経験がある方
・すでにAWSを業務で使用している方
・クラウドの概念やセキュリティについて基本的な理解がある方

一方で、実際のシナリオに基づいた問題も出題するため、単に知識を暗記するだけでは不十分です。AWS特有の用語や考え方、ベストプラクティスに精通していないと、知識があっても正しい選択肢を選べない場合もあります。

働いている現場のベストプラクティスだからと答えても、得点力は高まりません。公式ドキュメントや問題集を通じて、AWS特有の表現や考え方に慣れておくことが大切です🔍

 

AWSクラウドプラクティショナーとAzure・Google Cloudとの難易度を比較

クラウドサービスの認定資格として、AWS以外にもMicrosoft AzureやGoogle Cloud(GCP)の資格があります。以下は、それぞれの特徴をまとめた表です。

認証名
特徴
AWSクラウドプラクティショナー
世界シェア33%を誇るAWSの基礎知識を問う。学習リソースが豊富で、日本語の情報も多い。
Azure Fundamentals(AZ-900)
Microsoft環境との連携に強みを持つAzureの基礎知識を問う。Microsoft製品を使用している企業では有利。
Google Cloud Digital Leader
データ分析やAIに強みを持つGCPの基礎知識を問う。直感的に分かりやすいサービス設計が特徴。

基礎知識を問う入門レベルの資格で難易度はほぼ同等ですが、一般的な傾向として、AWS、Google Cloud、Azureの順で難易度が高くなるといわれています。AWSは日本語の学習リソースが充実しているため、比較的取り組みやすいためです。

ただし、日々の業務で特定のクラウドサービスを使用している場合は、そのプロバイダーの資格の方が取得しやすい傾向にあります。例えば、Microsoft環境での実務経験があればAzure、データサイエンスに興味があればGoogle Cloudというように、状況に応じた選択が望ましいでしょう。

関連記事:【AWS・Azure・GCP】資格難易度を比較!難しい?意味ない?資格ごとの種類・特徴も

 

難易度を確認!AWSクラウドプラクティショナーの問題例

実際の試験問題のレベル感を知ることで、難易度をより具体的に理解できます。以下に、AWSクラウドプラクティショナー試験の問題例をいくつか紹介します。

この問題が難しいと感じる場合は、あなたにとって試験の難易度が高いかもしれません。

 

問題1

・ある企業は、AWS Batch を使用して何千もの同時シミュレーションを実行しています。各シミュレーションはステートレスであり、フォールト トレラントであり、最大 3 時間実行されます。 企業がコストを最適化し、この要件を満たすことを可能にする価格モデルはどれですか?
・オンデマンドインスタンス
・専有インスタンス
・リザーブドインスタンス
・スポットインスタンス

この問題では、コスト最適化とフォールトトレラント(障害に強い)なワークロードに適した価格モデルを選ぶ必要があります。解答には、AWSの各料金モデルの特徴と適した使用シーンを理解していていなければなりません!

正解は4番のスポットインスタンスです。

スポットインスタンスは、AWSの余剰キャパシティを利用するため、オンデマンド価格よりも安く提供されます。フォールトトレラントなワークロードであれば、インスタンスを中断しても問題ないため、コスト削減効果の高いスポットインスタンスが最適です。

 

問題2

・企業は AWS Organizations を使用してどのようなアクティビティを完了できますか?
・アプリケーションをマイクロサービスに移行する。
・アプリケーションのパフォーマンスを監視する。
・アプリケーションのパフォーマンスのトラブルシューティングを行う。
・サービス コントロール ポリシー (SCP) を管理する。

この問題では、AWS Organizationsの主な機能を理解しているかが問われます。AWS Organizationsの基本的な機能と用途を正しく理解していれば解けるはずです!

サービス コントロール ポリシー (SCP) を管理する、という4番が正解です。

AWS Organizationsは、複数のAWSアカウントを一元管理するためのサービスです。サービスコントロールポリシー(SCP)を使用してアカウント内のリソースやアクションに対するアクセスを制御・制限できます。

 

問題3

・AWS IAM を使用するためのベストプラクティスを表すアクションはどれですか? (2つ選択)
・アクセス キーを使用して、AWS マネジメント コンソールにログインする。
・アクセス キーを定期的にローテーションする。
・パスワード ポリシーを構成する。
・同じリージョン内の AWS アカウントのユーザー間でセキュリティ認証情報を共有する。
・IAM ロールを使用して権限を委任することを避ける。

この問題では、AWS IAM(Identity and Access Management)のセキュリティベストプラクティスについて問われます。AWSのセキュリティベストプラクティスに関する基本的な知識が必要で、現場レベルでの解答だとミスしやすいです。

正解は2番と3番です。

2番のアクセスキーを定期的にローテーション(更新)することは、セキュリティリスクを軽減するための重要なベストプラクティスです。万が一アクセスキーが漏えいした場合でも、定期的に更新していれば被害を最小限に抑えられます。

3番のパスワードポリシーを構成することも、不正アクセスを防ぐための基本的なセキュリティ対策です。複雑なパスワードを強制し、ブルートフォース攻撃などのリスクを減らせます。

さらに力試しをするならこちらから:CLF-C02:AWS Certified Cloud Practitioner(認定クラウドプラクティショナー) 問題集

 

AWSクラウドプラクティショナーに必要な勉強時間

AWSクラウドプラクティショナーの勉強時間

AWSクラウドプラクティショナーの合格に必要な勉強時間の一般的な目安は、約20〜40時間です。平日1〜2時間、休日2〜3時間程度、集中して学習すれば1か月程度での合格も十分可能です。

記憶の定着はインプット3:アウトプット7の割合が良いといわれています。つまり、知識を詰め込むだけでなく、問題を解いて実践的に理解を深めることが大切だということです。

毎日コンスタントに学習時間を確保し、短時間でも毎日継続できればより知識も定着しやすくなります。時間が取れないときは、問題集を隙間時間に解くのもおすすめです!

 

AWSクラウドプラクティショナーは問題集での学習がおすすめ

IT Concepts Japan

AWSクラウドプラクティショナー試験に合格するためには、問題集を活用した学習をおすすめします。なかでも、IT Concepts Japanでは、AWSクラウドプラクティショナー試験対策のために無料登録だけでも150問という充実した問題集を公開しています。

・各問題に丁寧な解説が付いており、なぜその答えが正解なのかを理解できる
・CLF-C02を含む最新の出題傾向に合わせた問題構成で無駄なく学べる
・時間と場所を選ばず学習できるよう、スマホにも対応

最短で試験に合格したいなら、問題集を繰り返し解くのが一番早いです!IT Concepts Japanの問題集は、本番試験と同等・同難易度の模擬問題を多数収録しているので、この問題集だけで合格できます!🔥💪

累計利用者25,000人以上、Azure, GCP, CompTIAだけに限らず、AWSでも合格実績に定評がある当問題集を、この機会にぜひお試しください。

試験一覧
IT Concepts Japanでは、4,000を超えるIT認定資格試験の問題集に無料でアクセスすることができます。全問解説付き。

 

まとめ:問題集を活用して効率よく学ぼう

AWSクラウドプラクティショナーの合格率・難易度まとめ

AWSクラウドプラクティショナーは、AWS認定資格のなかでもっとも難易度が低く、基礎的なIT知識があれば1か月程度の集中学習で合格可能な入門資格です。難易度についてまとめると、以下のとおりとなります。

まとめ

・公式の合格率は非公開となっている
・似た資格から予想するとおよそ51%かそれ以下が目安となる
・2023年9月のCLF-C02へのアップデートにより若干上がった
・問題集での学習が手っ取り早い最短ルートとしておすすめ

AWSクラウドプラクティショナーの取得は、クラウド技術のキャリアにおける最初の一歩です。この資格を足がかりに、より高度なAWS認定資格にもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

試験一覧
IT Concepts Japanでは、4,000を超えるIT認定資格試験の問題集に無料でアクセスすることができます。全問解説付き。

 

AWSクラウドプラクティショナーの合格率に関するよくある質問(FAQ)

 

AWSクラウドプラクティショナーは取得する価値がありますか?

はい、AWSクラウドプラクティショナーは取得する価値があります。資格取得には、以下のようなメリットがあります。

・AWSの基本的な知識を体系的に学べる
・クラウド技術の基礎を理解できる
・AWS認定資格の中でもっとも取得しやすい
・実務経験がなくても取得可能
・上位資格への足がかりになる

特にクラウド技術に興味がある方や、IT業界でのキャリアをスタートさせたい方にとって、最初のステップとして最適な資格です。詳しくは、ぜひ下記ページもご覧ください。

【まず判断】AWSクラウドプラクティショナーは意味ない?取得の価値を徹底解説
AWSクラウドプラクティショナー資格は、一概に「意味ない」とはいえず、状況や目標によって価値が変わります。AWS初心者、資格手当がある会社に勤めている方、クラウド関連の転職を考えている方、実務でAWSを使いはじめた方には特に有益です。資格の概要や取得すべき人の特徴、「意味ない」といわれる理由からメリットまで徹底解説します。

 

AWS未経験でもクラウドプラクティショナーに合格できますか?

はい、AWS未経験でもクラウドプラクティショナーへの合格は十分可能です。AWS初心者を対象に設計しており、基礎的なIT知識があれば、集中的に学ぶことで合格できます

合格するためには、問題集を繰り返しといて公式が提唱するベストプラクティスや考え方を身につけることが大切です。実際に働いて得られた方法とは異なる点も多いことから、まずはいくつか問題を解いてみることをおすすめします。

 

クラウドプラクティショナー試験の合格点は何点ですか?

クラウドプラクティショナー試験の合格基準は、1000点満点中700点以上です。試験の点数は100〜1000のスコアとして算出し、合格点は一律700点で、これを超えれば合格となります。

試験ごとの難易度を考慮したスケールスコアとなっており、単純に正解率70%という意味ではありません。問題の難易度によって配点が異なるため、正解数だけでの合否判断はできない点に留意してください。

 

クラウドプラクティショナーの試験結果はいつわかりますか?

クラウドプラクティショナーの試験結果は、試験終了後すぐに画面上に表示してくれます。合否の結果はその場で確認でき、試験会場を出る前に自らの結果を知ることができます。

また、詳しい点数やスコアレポートは、試験終了後5営業日以内にAWS認定アカウントのマイページから確認できます。このレポートでは、各分野の得点状況も確認できるため、今後の学習に役立てることができます。

 

クラウドプラクティショナーとソリューションアーキテクトの違いは何ですか?

クラウドプラクティショナーとソリューションアーキテクトの主な違いは以下のとおりです。

レベル
クラウドプラクティショナー
FOUNDATIONAL(基礎)レベル
ソリューションアーキテクト
ASSOCIATE(アソシエイト)レベル
対象者
AWS初心者向け ある程度の知識や経験がある方向け
内容
AWSの基礎知識を問う AWS上で安全で費用対効果の高いシステムを設計する能力を証明する
難易度

一般的には、クラウドプラクティショナーを取得した後に、ソリューションアーキテクトにチャレンジするという流れが多いですが、必須ではありません

【まず判断】AWSクラウドプラクティショナーは意味ない?取得の価値を徹底解説
AWSクラウドプラクティショナー資格は、一概に「意味ない」とはいえず、状況や目標によって価値が変わります。AWS初心者、資格手当がある会社に勤めている方、クラウド関連の転職を考えている方、実務でAWSを使いはじめた方には特に有益です。資格の概要や取得すべき人の特徴、「意味ない」といわれる理由からメリットまで徹底解説します。