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CompTIAコンプティア資格は、IT業界で世界的に認められている国際資格です。グローバルで認知度が高く、実務に直結するスキルを習得できる資格として知られ、初級から上級まで幅広いレベルの資格があります。
IT業界は急速に変化するため、自らが専門性を高めたい知識を効率よく習得しなければなりません。そのため、どのような資格があって、どういったロードマップがあるのかを知っておきましょう!🚀💻
本記事では、
・CompTIA資格を取得するメリット
・CompTIA資格の難易度とおすすめ資格
・CompTIA資格取得ロードマップ
・CompTIA資格の学習方法
を詳しく解説します。「IT業界でのキャリアアップを考えている」「グローバルに通用するIT資格を探している」という方に向いた資格となっているため、ぜひチェックしてください。
CompTIA(コンプティア)資格とは?
CompTIA資格は、特定のベンダーや製品に依存しない「ベンダーニュートラル」な特徴を持ち、IT業務に必要な実践力と応用力を評価する国際資格のことです。運営は、CompTIA(Computing Technology Industry Association)です。
この資格は、特定の企業や製品に偏らない、業界全体で通用する知識とスキルを評価することを目的としています。2023年9月時点で世界中で270万人以上の取得者がいるほど、信頼性と有用性が広く認められています!🌟🔧
CompTIA資格が生まれた背景
CompTIA資格は、1990年代のIT業界の急速な発展と人材不足を背景に誕生しました。パソコンの爆発的な普及に伴い、IT技術者の需要が急増しましたが、同時に業界全体で共通して求められるスキルの標準化という課題も新たに生まれたのです。
この課題を解決するため、CompTIAはIT業界の主要企業と協力して「IT業務に必要とされるスキルの標準化」を行い、結果として作られたのがCompTIA認定資格です。
出典:CompTIA公式(https://www.comptia.jp/certif/comptia_certification/)
CompTIA資格は5つの領域と15の資格がある
まず、CompTIA資格は、以下に挙げた5つの主要領域で区分けされています。自分のキャリア目標に合わせて、まず領域を選び、次に自分のレベルに合った資格を選べるような設計になっています。
領域 |
目的・特徴 |
CORE(コア) |
IT業界の基礎となる必須スキルを扱う |
INFRASTRUCTURE(インフラストラクチャ) |
ITシステムの基盤となるインフラ技術を扱う |
CYBERSECURITY(サイバーセキュリティ) |
情報セキュリティに特化した高度な専門領域 |
DATA AND ANALYTICS(データ・分析) |
データの収集・分析・活用に関する専門領域 |
ADDITIONAL PROFESSIONAL(追加専門分野) |
IT業界で必要となる追加的なビジネススキルを扱う |
そして、CompTIA資格は15種類の資格で構成されています。基礎的なIT知識から始まり、各領域で専門的なスキルを段階的に深めていく構造です。
資格名 |
領域 |
評価するスキル |
想定実務経験 |
IT Fundamentals |
CORE | ・PCやスマートフォン等のハードウェア ・互換性とネットワーク ・セキュリティ ・基本的なITリテラシー |
不要 |
A+ |
CORE | ・PCやモバイル機器のハードウェア ・各種OS/ソフトウェア ・周辺機器の管理 |
12ヶ月程度 |
Network+ |
CORE | ・ネットワークの構成/運用 ・トラブルシューティング ・セキュリティ ・仮想化 |
9ヶ月程度 |
Security+ |
CORE | ・脅威/脆弱性分析 ・セキュリティ設計 ・リスク管理 ・ID管理 |
2年程度 |
Cloud+ |
INFRASTRUCTURE | ・クラウド環境の実装 ・運用管理 ・仮想化技術 ・セキュリティ |
– |
Linux+ |
INFRASTRUCTURE | ・複数ディストリビューション ・システム設計/構築 ・運用保守 |
– |
Server+ |
INFRASTRUCTURE | ・サーバー構築/管理 ・災害復旧 ・セキュリティ実装 ・トラブルシューティング |
– |
CASP+ |
CYBERSECURITY | ・セキュリティ要件 ・リスク管理 ・インシデント対応 ・エンタープライズセキュリティ |
IT:10年 セキュリティ:5年 |
CySA+ |
CYBERSECURITY | ・セキュリティ分析 ・脅威検出/分析 ・セキュリティツール活用 ・システム監視 |
3-4年 |
PenTest+ |
CYBERSECURITY | ・ペネトレーションテスト ・脆弱性評価 ・システム復旧 ・セキュリティ管理 |
– |
Data+ |
DATA AND ANALYTICS | ・データマイニング ・統計手法 ・データガバナンス ・品質基準 |
18-24ヶ月 |
DataSys+ |
DATA AND ANALYTICS | ・データベース展開 ・管理/メンテナンス ・スクリプト/プログラミング |
2-3年 |
DataX |
DATA AND ANALYTICS | ・データサイエンス ・高度なデータ分析 ・機械学習 |
5年以上 |
Project+ |
ADDITIONAL PROFESSIONAL | ・プロジェクトリーダーシップ ・マネジメント ・コミュニケーション |
12ヶ月 |
Cloud Essentials+ |
ADDITIONAL PROFESSIONAL | ・クラウドの意義理解 ・ビジネス面での判断 ・運用知識 |
– |
CompTIA資格を取得する3つのメリット
CompTIA資格を取得するメリットは、以下の3つです。
・実務に直結するスキルを習得できる
・キャリアアップ・転職が有利になる
出典:CompTIA公式(https://www.comptia.jp/merit/company_casestudy/)
グローバルに通用するスキルを習得できる
CompTIA資格は、世界中で270万人以上が取得している国際的に認知された資格であるため、グローバルスタンダードのIT知識とスキルを身につけたことを証明できます。日本企業もCompTIA資格をグローバル採用の基準として採用しており、この傾向は今後も強まる見込みです。
実際、NECソリューションイノベータ株式会社は「お客様の安全・安心なDXを支えるSecurity By Design実践人材の育成」にCompTIA Security+を活用しています。つまり、CompTIA資格は、国境を越えて通用する「グローバル人材」としての価値を高める効果的な手段となります。
実務に直結するスキルを習得できる
CompTIA資格の特徴は、実際のIT業界で必要とされるスキルに基づいて試験が作成されていることです。つまり、資格取得のための学習過程で、現場ですぐに活躍できる実践的なスキルを身につけることができます。
・ブラザー工業株式会社:グローバルCSIRTのスキル可視化の基準としてSecurity+を採用
・旭情報サービス株式会社:「若手技術者骨太構想」のスキルロードマップにITF+、A+、Network+、Server+、Security+、Cloud+を定義
いずれも日々の業務で直接活用できる知識とスキルであり、CompTIA資格の学習は、単なる試験対策ではなく、実務能力の向上に直結する効果的な学習方法といえるでしょう。
キャリアアップ・転職が有利になる
CompTIA資格は、IT業界での就職・転職活動において、自身のスキルを客観的に証明する手段にも有効です。多くの企業が採用基準や昇進条件にCompTIA資格を含めており、資格保有者は選考で有利に進めることができます。
・ソフトバンク株式会社:顧客デジタルソリューション基盤の提供やDX推進におけるソリューション人材育成にCloud+、Security+、Project+を活用
・株式会社サンネット:「昇格要件の技術力評価」にNetwork+、Security+、Cloud+、Cloud Essentialsを追加
資格手当に該当すると、資格取得によって給与アップも期待できます。CompTIA資格は、キャリアアップや転職の際に、自身の市場価値を高め、より良い待遇を得るための強みとなるのです。
CompTIA資格の難易度
CompTIA資格の難易度は、以下のとおりです。「入門(実務経験不要)→基礎(1年未満の実務経験)→中級(1-3年程度の実務経験)→上級(5年以上の実務経験や高度な専門知識が必要)」の順に分類しています。
資格名 |
難易度 |
必要実務経験目安 |
カテゴリ |
IT Fundamentals |
入門 | 不要 | CORE |
Cloud Essentials+ |
入門~基礎 | 不要 | ADDITIONAL PROFESSIONAL |
A+ |
基礎 | 1年程度 | CORE |
Network+ |
基礎~中級 | 9ヶ月程度 | CORE |
Security+ |
中級 | 2年程度 | CORE |
Cloud+ |
中級 | 記載なし | INFRASTRUCTURE |
Linux+ |
中級 | 記載なし | INFRASTRUCTURE |
Server+ |
中級 | 記載なし | INFRASTRUCTURE |
Project+ |
中級 | 12ヶ月 | ADDITIONAL PROFESSIONAL |
Data+ |
中級 | 18-24ヶ月 | DATA AND ANALYTICS |
DataSys+ |
中級 | 2-3年 | DATA AND ANALYTICS |
CySA+ |
中級~上級 | 3-4年 | CYBERSECURITY |
PenTest+ |
上級 | 記載なし | CYBERSECURITY |
DataX |
上級 | 5年以上 | DATA AND ANALYTICS |
CASP+ |
上級 | セキュリティ5年以上、IT全般10年以上 | CYBERSECURITY |
出典:CompTIA公式(https://www.comptia.jp/certif/comptia_certification/)
全15資格のうち、入門・基礎レベルは2つのみで、ほとんどが実務経験を重視する中級以上の資格となっています。特にCYBERSECURITYとDATA分野には5年以上の実務経験を要する上級資格が集中しており、これらの分野での高い専門性が求められます。
なお、「入門」難度とされている資格であっても、IT分野の基礎知識が不足している場合は合格できません。資格取得を目指す際は、自身の知識レベルを正確に評価し、適切な準備期間を設けましょう!💻📚
CompTIAでおすすめ資格4選
CompTIA資格の中でも、特におすすめの4つの資格を紹介します。
・CompTIA A+
・CompTIA Network+
・CompTIA Security+
CompTIA IT Fundamentals (ITF+)
CompTIA IT Fundamentals (ITF+)は、基本的なIT概念や用語を理解し、技術の基礎を習得したことを証明する資格です。コンピューターのハードウェア、ソフトウェア、ネットワーキング、セキュリティの基礎知識を網羅しています。
そのため、IT分野でのキャリアを検討している方や、技術の基本を理解したい非IT専門家にとって理想的な選択肢です。
もっと詳しく知る:【無料問題集付き】CompTIA IT Fundamentals(ITF+)とは?試験の難易度や試験内容、勉強時間を解説します。
CompTIA A+
CompTIA A+は、主にハードウェア、ソフトウェア、OS、ネットワーキング、セキュリティなど、ITサポート職に必要なスキルを評価する資格です。IPAの基本情報技術者試験よりも易しいものの、一定の知識量は求められます。
実践的なトラブルシューティングスキルや、クライアントとのコミュニケーション能力も重視されるため、ITサポート分野でのキャリアを確立して実務に直結するスキルを証明したい方におすすめです。
もっと詳しく知る:【無料問題集付き】CompTIA A+とは?試験の難易度や試験内容、勉強時間を解説します。
CompTIA Network+
CompTIA Network+は、ネットワークの設計、実装、トラブルシューティング、セキュリティに関する包括的な知識を証明する資格です。IPAの基本情報技術者試験と同等レベルです。
クラウドコンピューティングやモバイルデバイスの普及により、ネットワークスキルの重要性が増している現代のIT環境において、ネットワーク管理者やシステム管理者を目指す方に特に適しています。
もっと詳しく知る:【無料問題集付き】CompTIA Network+とは?試験の難易度や試験内容、勉強時間を解説します。
CompTIA Security+
CompTIA Security+は、サイバーセキュリティの基本原則、リスク管理、暗号化、ネットワークセキュリティなど、セキュリティ関連業務に必要なスキルを評価する資格です。IPAの基本情報技術者試験より難しく、ネットワークスペシャリスト試験よりも易しいです。
サイバー攻撃の脅威が増大する現代のIT環境で需要が高まっており、主に情報セキュリティ専門家やセキュリティ管理者を目指す方に適しています。
【無料問題集付き】CompTIA Security+とは?試験の難易度や試験内容、勉強時間を解説します。
CompTIA資格を取得するロードマップの例
CompTIA資格の取得ロードマップの例は、以下のとおりです。あくまでも例であるため、自らのキャリアプランに合わせて微調整してください。
【COREロードマップ】
ステップ |
資格名 |
概要 |
1 |
IT Fundamentals | IT技術の基礎知識を体系的に学習 |
2 |
A+ | PC・モバイル機器の運用管理やサポートスキル |
3 |
Network+ | ネットワークの構築・運用管理スキル |
4 |
Security+ | セキュリティ対策と運用管理スキル |
このコア資格を取得した後は、自身のキャリア目標に応じて専門分野の資格を選択できます。
例えば、サーバー管理に興味がある場合はCompTIA Server+、クラウド技術を深く学びたい場合はCompTIA Cloud+といった具合です。そのほか、コア系を通さずに各領域で知識をつける際のロードマップも3つ紹介します🔥💻
【インフラ系】
ステップ |
資格名 |
概要 |
1 |
Cloud Essentials+ | クラウドの基礎知識 |
2 |
A+ | IT基盤の基礎スキル |
3 |
Server+/Linux+ | サーバー管理スキル |
4 |
Cloud+ | クラウド環境の実装と運用管理 |
【サイバーセキュリティ系】
ステップ |
資格名 |
概要 |
1 |
Security+ | セキュリティの基礎 |
2 |
CySA+ | セキュリティ分析 |
3 |
PenTest+ | 脆弱性診断・検査 |
4 |
CASP+ | 上級セキュリティ管理 |
【データ分析/サイエンス系】
ステップ |
資格名 |
概要 |
1 |
Data+ | データ分析の基礎 |
2 |
DataSys+ | データベース管理 |
3 |
DataX | データサイエンスの専門知識 |
CompTIA資格の学習方法
CompTIA資格の取得を目指す方には、主に「独学」と「トレーニング受講」という2つの学習アプローチがあります。どちらの方法を選ぶかは、個人の学習スタイルや時間的制約、予算などによって異なりますが、それぞれに特徴があります。
独学
独学の場合、CompTIAが提供する公式テキストやオンラインラーニングリソースを活用します。
この教材は、試験範囲を網羅しており、自分のペースで学習を進められるという利点があります。また、オンラインフォーラムやコミュニティに参加することで、他の受験者と情報交換をしたり、疑問点を解決したりすることも可能です。
トレーニング受講
一方、トレーニング受講を選ぶ場合は、CompTIA認定のトレーニングパートナーが提供する研修を受講します。
この研修は、経験豊富な講師による指導を受けられ、実践的な演習や質疑応答の機会が設けられているため、より深い理解を得られます。また、他の受講者との交流を通じて、ネットワーキングの機会も得られるでしょう。
注意:問題演習は必要
どちらの方法を選ぶ場合でも、実際の業務シナリオを想定した問題演習を繰り返し行うことが重要です。CompTIA資格は実務に直結するスキルを評価するものであるため、単なる暗記ではなく、知識を実践的に応用する能力が求められます。
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まとめ
CompTIA資格は、IT業界で広く認知されたグローバルスタンダードの認定資格です。このCompTIA資格についてまとめると、以下のとおりです。
・ベンダーニュートラルで実務に直結するスキルを評価
・初級から上級まで幅広いレベルの資格が用意されている
・IT FundamentalsからSecurity+まで段階的に取得可能
・キャリアアップや転職に有利に働く
・独学とトレーニング受講の2つの学習方法がある
・実践的な問題演習が最短合格の基本
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CompTIA資格に関するよくある質問
コンプティア資格の有効期限は?
CompTIA資格の有効期限は、大きくわけて2種類あります。1つは取得日から3年間の有効期限が設定されているもの、もう1つは生涯認定(GFL:Good-for-Life)の資格です。
コンプティア資格の受験料は高い?
CompTIA資格の受験料は、他の IT 資格と比較するとやや高めに設定されています。
項目 |
平均価格 |
一般価格 | ¥44, 125 |
メンバー価格 | ¥34, 326 |
CAPP Academic Partner価格 | ¥18, 730 |
上記の表は、CompTIA 日本支局が公開している価格から平均値を割り出した料金表です。Microsoft Azure の資格が1〜2万円台であることを考えると、CompTIA資格の受験料はやや高いと言えます。
コンプティア資格の取得は意味ない?
CompTIA資格の取得は、決して意味がないわけではありません。むしろ、IT業界で広く認知されており、基礎的なスキルを証明する手段として有効です。
しかし、CompTIA資格にはさまざまな種類があるため、自分のキャリアゴールや現在の技術レベルに合わない資格を選択してしまうと効果が薄れます。
関連記事:意味ない
一番簡単なCompTIAの資格は?
CompTIA資格の中でもっとも取得しやすいとされているのは、CompTIA IT Fundamentals(ITF+)です。この資格は、IT業界に入門したばかりの方や、基礎的なIT知識を証明したい方を対象としています。